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他とは違うアドバイスで首都圏への販路が開けた―― 佐賀県白石町レンコン農家

黒木農園/代表 /黒木啓喜さん

佐賀県の中南部に位置する白石町で、黒木農園というレンコン農家を営む黒木啓喜(くろき ひろよし)さん。「何しゃべっていいのかわからんし、人と会うのは苦手」といいつつ、銀座三越や紀ノ國屋といったこだわり派の人から支持を集める百貨店やスーパーに販路を開拓しています。

 

質を高めて首都圏へ売り込むことを決意

そんな黒木さんが100年以上続く実家の農園を引き継ぎ、本格的にレンコン作りに携わったのは7年程前から。「まだ、新人です(笑)」と冗談めいて笑いながらも、わずか数年で首都圏への販路を築き、順調に業績を上げてきました。

その秘密は、“商品の価値をわかってくれる人にできるだけ高く売ろう”と目標を定めたから。黒木農園の場合、生産現場の人手や場所は限られていることから、面積を広げて量を売るのではなく質で勝負するために、“首都圏への販路”は欠かせないものでした。

実際、ミネラルが豊富な有明海の粘土質の土壌に恵まれた白石レンコンは、黒木さんこだわりの土作りのおかげもあって、肉厚でシャキシャキとした高品質のレンコンが栽培されています。

 

考え方が変わり、商談での振舞い方をイチから学べた

そうしてレンコン作りを始めて1~2年経った頃、東京の知り合いに紹介してもらいながら、無謀にも交渉の仕方も何もわからない状態で売り込みをスタート。そんな時期に参加したのが、佐賀県商工会連合会から紹介された、バイヤーズ・ガイドの販路開拓塾でした。

「怖いもの知らずで何の知識もなく売り込みに行っていたので、販路開拓塾の誘いをもらったときは『絶対に参加しよう!』と思いました。受けてみてまず、考え方が変わりました。バイヤーズ・ガイドの場合、まったく違う立場からアドバイスを言ってもらえるので、とても役に立ちました。やはり商談では駆け引きが大事ということを学びましたし、そもそもそういう商談の場に出ること自体が必要なんだということも知りました。商談の場への出方を教えてもらいましたね」

アドバイスを元に商談へ臨み、結果が出るようになるとどんどん楽しさが倍増。今では自分たちの方から条件に合う取引先を選べるようになったといいます。

 

実践に効くアドバイスが今でも役に立っている

「販路開拓塾の最終日に実践の場としてミニ商談会をやったのですが、すごく勉強になりました。今でもそれが活きていると思います。また、“展示会ではとにかく名刺を渡せ”なんて言われることもありますが、うちのような少人数のところだと後フォローができないことも。バイヤーズ・ガイドの場合は、展示会では印象に残るようにすることが大事と教えてもらいました。そこで、ディスプレイや名刺を少し変えてみると、『コレなんだろう?』と興味を持ってくれて、話をしてくれる確立がぐんと上がったんです。展示会の場で商談が決まるということは少ないので、まずはバイヤーさんにインパクトを与えて、覚えてもらうことが大切だと思います。何かのときに思い出してもらえますから」

生のレンコンだけではなく、れんこんスイーツやれんこんパウダーなど、加工商品作りも多数手がけている黒木さん。販路開拓塾で一緒だった異業種の仲間たちや商談会で知り合った人とのつながりができ、情報交換できたことも商品開発の際には大きなメリットになったそう。

「他力に頼るのが上手いなぁと自分でも思います(笑)。今、レンコン農家8人でグループを組んで出荷体制を作っているのも、僕1人ではできないと思ったから。例えば、難しい土作りも8人がさまざまな方法で試せば、1人だと8年かかるところを1年で済む。そうやって、地域で協力して盛り上げていかないと、絶対に伸びないですよね。首都圏に販路を見出したいという人の中には、きっとバイヤーズ・ガイドの販路開拓塾を受けたいと思う人がいるはず。たくさんの人に周知してもらって、同じ志を持つ人を増やして欲しいですね」

  • 黒木農園
    代表 
    黒木啓喜さん

    佐賀県杵島郡白石町で祖父の代から100年以上続く黒木農園の3代目として、白石レンコンやたまねぎの生産・販売を行なっている。有明海沿岸に広がる肥沃な土壌を生かした質の高いレンコンは、全国的にも評価が高い。近年はれんこんスイーツやれんこんパウダー、たまねぎドレッシングなどの加工品の商品開発にも取り組んでいる。

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